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もしもの災害時にも役に立つ!チャック付き袋でごはん炊き

自然災害が多い日本。火山大国である日本では、いつどこで大きな地震が起こるかわかりません。また、大雨や大雪のほか、異常気象による影響で「救助を待つ」といったシーンは、誰にでも起こり得ると言えます。

被災して救助を待つ間や避難生活において、大切になるのが「水と食糧」です。今回は、そんな場面で水の消費を最小限におさえた「ごはんの炊き方」を、ソトレシピシェフの寒川せつこさんに教えてもらいました。

チャック付き袋があれば、少量の水でごはんが炊ける

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用意するのは
・チャック付き袋…2枚
・鍋
・クリップ
・米…2合
・オニオンスープの素…1袋
・水…400cc        になります。

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今回、鍋にはスウェーデンのメーカー「トランギア」の「ラージメスティン」というアルミ製飯ごうを使用しました。

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まず、鍋に7分目くらいの水(分量外)を入れて、湯を沸かします。この水は直接ごはんに触れませんので、お風呂の残り湯や雨水・海水でもかまいません。

まずは白米。1つのチャック付き袋に1合の米を入れ、200ccの水を入れます。この水は口に含むことができる飲料水である必要があります。

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もう1つのチャック付き袋にも同様に1合の米と200ccの水を入れ、スープの素を加えます。こちらは炊き込みご飯風にします。どちらの袋も空気をしっかり抜いて袋をしめます。

食器や鍋を洗うための水も不要

袋を分けることで、色々な味のごはんが一度につくれますし、残ってしまっても冷凍用袋で作っているので冷凍もできます。そのまま食べれば食器を汚すこともありませんし、鍋も汚れないので洗い物に必要な水を消費することもありません。

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グラグラ沸騰した湯の中に袋を入れ、鍋肌に袋があまり触れないように、クリップでまとめます。

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透明の袋でつくるので、ご飯が炊けている様子を見ることができます。一度味見をしてみて、まだ固いようなら、もう一度沸騰した鍋に数分戻せば大丈夫です。

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20分ほどしたら、鍋から出して、5分ほど蒸らしたらできあがりです。野外だと気温や風の影響もあるので、時間よりもごはんの具合で確認しましょう。

袋のままおにぎりをつくれば手も汚れない

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できた白米のほうには、袋のままふりかけを入れておにぎりをつくります。

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チャック付き袋の角にごはんを寄せれば、おにぎりの形も整えやすいし、袋のままにぎるので手も汚れません。手を洗うために必要な水の消費もおさえられるのです。

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写真では炊きこみごはんをシェラカップに盛りましたが、前述のとおり、チャック付き袋のまま食べればお皿を洗う必要がありません。

人間は3日水を摂取できなければ死に至ると言われています。何度も言いますが、避難生活では飲み水はとても貴重です。蛇口をひねっても水が出ない状況で、貴重な水をいかに消費せずにいられるかが重要になってきます。

2合分のごはんを炊くのに、使用した飲み水は400ccのみ。今回のチャック付き袋でのごはん炊きには、そのアイディアが豊富に盛り込まれていましたよね。

今回はお湯を沸かすのにカセットガスを使いましたが、避難生活では燃料も大切です。燃料がない場合は焚き火などで解決することになるでしょう。

必要な場面に迫られてから試すのではなく、たとえばキャンプのときなどに焚き火を楽しみながら今回のやりかたでごはんを炊いてみてはいかがでしょうか?一度でも経験をしていれば、もしものときにも落ち着いた行動がとれるはずです。

災害に備えるためにできることは、必ずしも「物」を備蓄しておくことだけではありません。あらゆる場面を想定して「知識」や「経験」を備えおくことも大切なこと。あらためて自身と家族のための“防災”を、見直してみてはいかがでしょうか?

※こちらの記事は2018年3月11日にソトレシピニュースに掲載された記事を加筆修正したものです。


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