【キャンプ料理ギア比較】メスティンからシェラどんぶりまで!“炊飯力”No.1を決める最強ソロキャンプクッカー決定戦!
白米1合炊き最強のソロキャンプクッカーを知りたい。
こんにちは、ソトレシピ編集部です。突然ですが、キャンプ場で食べる炊きたてのごはんって格別ですよね。キャンプでの炊飯って難しそうに感じるかもしれませんが、実はやり方さえ知っていれば、誰でも美味しく簡単に炊けてしまいます。おいしいごはんが炊けたときの喜びはキャンプの醍醐味の1つではないでしょうか。しかし、そんなキャンプでの炊飯にハマって何度もやっていくうちに、こんな疑問が脳裏に…
「白米を最も“うまく”炊けるキャンプ料理ギアって…何だろう?」
今回は、その疑問に応えるキャンプ料理ギア比較をやってみたいと思います!
メスティン、飯ごう、コッヘル、シェラどんぶりの4ギアを比較。
「どのギアを比較しようかな…」そんな疑問をまずはソトレシピ編集部公式Twitter(@sotorecipe)でフォロワーさんに聞いてみました。その結果はこちら。(回答頂いた皆さんありがとうございました!)
メスティン強い…!ソトレシピ編集部も「メスティンレシピ」「メスティン自動レシピ」(ともに山と渓谷社)の制作をお手伝いしておりますが、やはり今はメスティンの時代ですね。その人気ぶりが伺える結果になりました。また、キャンプ用に使っている鍋が18.6%、飯ごう約12.7%。我らがシェラどんぶりは4.9%でした。4択以外の回答としては、キャンプ場での炊飯ギアとして王道のユニフレーム「ライスクッカー」や、ダッチオーブン、ストウブの鍋といった声も寄せられました。
さて、第1回となる今回、エントリーするギアの選定についてダッチオーブンとメスティンを比較するのも判断が難しいので、ある基準を設けさせてもらいました。その基準はこちら。
【ギアの選定基準】
・ソロキャンプ~デュオキャンプに最適なサイズ感のキャンプ料理ギア
・これ1つあれば、炊飯だけでなく様々な料理に対応できる汎用性のあるギア
要するに、キャンプ料理ギアとして「コレ1つあればとりあえずなんとかなる!」という汎用系ギアたちによる勝負。そんなギアの中で白米1合炊き最強はどれなのだろうか、という疑問を解消していきたいと思います。
そんな基準のもと、下記4ギアがエントリー。
【今やテレビでも紹介される人気者!】メスティン:Trangia 「メスティン」※以下「メスティン」と表記
【キャンプで炊飯といえばこの形!】飯ごう:THE NORTH FACE STANDARD 「Rice Cooker Hango」※以下「Hango」と表記
【ソロキャンプクッカー定番のカタチ】コッヘル:snow peak 「チタントレック 900」※以下「チタントレック」と表記
【どんぶり型の新参クッカー】SOTORECIPE PRODUCTS「シェラどんぶり」
ユニーク枠として、ソトレシピプロダクツから発売している「シェラどんぶり」をエントリーさせてください!
対決のルールは「固形燃料」を使った“放置炊飯1本勝負”!
個性豊かなキャンプ料理ギアが揃った第1回。今回の炊飯ルールはこちら!
【対決のルール】
・無洗米1合(150g)に対して水200mlを使用
・浸水時間1時間
・コンパクトストーブ&エスビットの固形燃料(ミリタリー・14g)を使用
・着火後は鎮火まで放置
・20分間の蒸らし
できるだけ人の手が加わらないような炊飯方法にし、火加減による人為的なテクニックではなく、ギアがもつ純粋な“炊飯力”を比較してみたいと思います。
そして審査基準ですが、キャンプ飯ラバーたるもの味が“うまい”ことはもちろん、使い勝手の“うまさ”についてもこだわりたいものです。ということで、このような審査基準を設けてみました。
【審査基準】
・味:米の風味や食感の比較
・見た目:炊きあがり時の見た目の比較
・個性:そのギアならではの加点ポイント
それでは早速対決開始!
沸騰はスノーピークが1位。炊飯中にも溢れるギアの個性。
横並びで一斉にスタート。
撮影時の気温は22℃で快晴。ほぼ無風の状態です。
開始から約4分30秒:チタントレックが沸騰
「チタントレック」はエントリーした4モデルの中で唯一のチタン製。素材の特徴を活かし、最も早くコトコトと湯気が立ち上がるのを確認。
次に沸騰したのは「Hango」。「Hango」と「メスティン」はともにアルミ製。底部の大きさがほぼ同程度のため、剛性感のある「Hango」のほうが熱を通しにくそうに感じましたが、結果は想像とは異なる形に。
その後、約5分のタイミングでステンレス製のシェラどんぶりから湯気が。
「シェラどんぶり」とほぼ同程度の時間で、最後に「メスティン」の湯気が確認できました。これには個体差があるかもしれませんが、「メスティン」の蓋の閉まりがかなり硬いものを使用していることもあり、完全に沸騰を迎えるまで湯気が視認しにくかった可能性もあります。
いずれにしても、すべてのキャンプ料理ギアが約4分半~約5分半の間で沸騰しました。
その後、鎮火するまで一切触れることなく、完全に放置します。
開始から約10分:炎が落ち着き自動で弱火に。
この時点で、吹きこぼれが確認できたのは「シェラどんぶり」だけ。グツグツっと一瞬吹きこぼれましたがその後すぐに落ち着きました。他の3ギアについては一切吹きこぼれることがなく、安定した状態が続きます。
そして、開始から約13分が過ぎ、鎮火。
今回は少し長めに20分間放置し、蒸らしていきます。
炊きあがり!さて、編集部による審査結果は!?
それぞれ見ていきましょう!
◼死角無しの出来栄えに仕上がった「メスティン」
「メスティン」を開封!
少しわかりにくいですが、中心に少し“カニ穴”が空いています。また、お米もしっかりと立っていて、均一な仕上がり。
特筆すべき点として、「メスティン」には一切おこげができませんでした。おこげの有無は好みが分かれるところですが、一切のおこげがなくお米の変色もなかった「メスティン」は真っ白なご飯を炊き上げました。お米の味わいはエントリーした4つのキャンプ料理ギアの中で最もニュートラルと言えそうです。ほのかに甘みがありますが、どちらかというとあっさりとした味わいでもあり、比較的硬めに炊きあがった印象。カレーや汁物など水分が多いレシピとの相性が良さそうなイメージです。
・味:米の風味や食感の比較 ★★★★☆
・見た目:炊きあがり時の見た目の比較の比較 ★★★★☆
・個性:そのギアならではの加点ポイント ★★★☆☆
◼“白ごはん”としての美味しさは飯ごうに軍配
「Hango」開封!
こちらも「メスティン」同様に、美しい炊きあがりです。均一でしっかり米が立っており、他のギアと比べてツヤと潤いが強い印象があります。
同じアルミ素材の「メスティン」と同じく、「Hango」も一切のおこげがない状態で炊きあがりました。ベタッとした感覚は一切なく「メスティン」と比べても“仕上がっている”印象。口当たりもふっくらしており、甘みを強く感じたので白米そのものを楽しみたいときには飯ごうがソトレシピ編集部としてのオススメ。和食のためのごはん。最大4合まで炊ける「Hango」には1合はサイズ的にも余裕があったのでしょうか。他の製品と比べて容量に占める米の割合が低く、蒸気や熱を逃がしにくい構造がこの結果につながったのかもしれません。
・味:米の風味や食感の比較 ★★★★★
・見た目:炊きあがり時の見た目の比較の比較 ★★★★☆
・個性:そのギアならではの加点ポイント ★★★☆☆
◼“チタン”の特性が色濃くでた「チタントレック」
「チタントレック」を開封!こちらもしっかりとお米が炊けています。放置炊飯恐るべし。
アルミ製のクッカーには無かったですが、こちらは中心部分に茶色いにじみが。また、クッカー周辺のお米も硬めに仕上がっていそうな雰囲気。
シャリ切りをしてみると、しっかりとしたおこげが出来上がっていました。底面がすべて焦げ付いているのではなく、エスビットの炎が直接あたっている底部中央部分のみ。口にした印象は、おこげの風味が他と比べて強く前に出る印象を受けました。沸騰が早く熱が通りやすいチタンの特性が炊飯に反映される結果に。炊飯力だけを比較すると、他のクッカーに軍配が上がりそうです。しかし、「チタントレック」はその名の通り“トレッキング”を想定したギア。本格的なアウトドア使用にも耐えうる軽さと耐食性能を重視したチタンならではの機能性があります。今回は“完全放置”でしたが、早めに火から下ろすなどして工夫すればごはんの仕上がりに改善が期待できそうです。
・味:米の風味や食感の比較 ★★★☆☆
・見た目:炊きあがり時の見た目の比較の比較 ★★☆☆☆
・個性:そのギアならではの加点ポイント ★★★★☆
◼“盛りと映え”なら「シェラどんぶり」
最後は、僭越ながら参加させたソトレシピプロダクツの「シェラどんぶり」!こちらの実力はいかに。
「シェラどんぶり」は、オールステンレス製。「シェラどんぶり」も「チタントレック」と同じく中央に茶色いにじみが確認できました。ごはんは均一に満遍なく炊きあがっています。
シャリ切りをしてみると、やはりおこげがありました。「チタントレック」と比べると絶妙なおこげの出来具合と言っても良いのではないでしょうか。口にしてみるとほのかに香ばしい印象をもちながらも、白米の甘みが前に出てくるバランス。おこげが出来ているため、水分が飛んで硬めの仕上がりかと思えば、口にした印象はむしろ柔らかめ。どんぶり型の形状ゆえに、蒸らし時間中に底部に向かって、水分が自然と集まるからなのか、最も水分が無いおこげの部分もほのかにしっとりと仕上がっている印象でした。
炊飯力そのものは、「メスティン」と「Hango」のほうが優秀と言えそうです。ただ、「シェラどんぶり」ならではの個性がこちら。
クッカーがそのまま“どんぶり”として使えること。もちろんクッカーからそのまま食べることは他のギアでもできるのですが、「盛り付けを含めて料理として完成させる」ことを「シェラどんぶり」は重視。荷物をできるだけ減らしたいアウトドアマインドは持ちながらも、見た目も味も同時においしい体験をどんぶり型のシェラカップである「シェラどんぶり」で楽しむことができます。
・味:米の風味や食感の比較 ★★★☆☆
・見た目:炊きあがり時の見た目の比較の比較 ★★★☆☆
・個性:そのギアならではの加点ポイント ★★★★★
“放置炊飯”恐るべし。スタイルに合わせて選ぼう。
いかがでしたか?結論、どのクッカーを使っても放置炊飯で見事にごはんを炊き上げました 。「お米を炊く」ことだけに焦点を合わせれば、どのようなクッカーでも問題なく白米1合を炊き上げることはできそうです。その上で、炊きあがったごはんには、使用したクッカーの個性がしっかりと反映されました。とにかく味を重視するのか、あるいは琴線に触れたギアを愛でるのか。ますます、キャンプ沼から抜け出せなくなりそうです。第2回はまたルールを変えてやってみたいと思います。(この記事が人気なら…!)
※この記事は2020年11月11日にソトレシピニュースに掲載されたものです
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