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メスティンの焦げや黒ずみを落とす技と基本の洗い方3つのポイント

うっかりメスティンを焦がしてしまったとき、キレイに洗う方法があったら知りたいですよね。結論から言うと、メスティンを焦がしてしまっても、お酢で煮込むことでキレイにできます。
 お酢に含まれる成分が焦げを柔らかくして落としやすくしてくれるんです。筆者も炊飯でうっかりお米を焦がしてしまったときはお酢で煮込んで対処しています。また、メスティンの焦げや黒ずみ、劣化を防ぎ、長持ちさせるには日頃の洗い方も大切です。

この記事ではメスティンに関して

・基本の洗い方
・焦げの落とし方
・黒ずみの落とし方

 を解説しています。

使っているといつの間にかついてしまう黒ずみをキレイにする裏技も注目です。この記事を読み終えていただければ、メスティンの基本的な洗い方や焦げ、黒ずみの対処法がわかり、長持ちさせるお手入れができるようになります!ぜひ参考にしてください。

1.基本の洗い方3つのポイント

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メスティンを洗う際は、柔らかいスポンジと中性洗剤を使って洗うことをおすすめします。研磨剤入りのスポンジや金属製のたわし、酸性やアルカリ性の洗剤はアルミを劣化させるからです。少しでも長持ちさせたい場合は次の3つのポイントを参考に洗いましょう。

1. 表面の酸化皮膜を壊さないように

酸化皮膜イメージのコピー

メスティンの素材はアルミニウム(以下アルミ)です。アルミは表面に酸化皮膜を作ることで腐食や劣化を防ぐ性質をもっています。この酸化皮膜を人工的に厚くしたものをアルマイト加工と呼びます。

メスティンを洗う際には酸化皮膜やアルマイト加工でできた表面にある膜を壊さないように洗うのがポイントです。

【参考】
〈アルマイト加工されたメスティン一例〉
・MiliCamp(ミリキャンプ):メスティン 飯盒 MR-250 Pro
・ダイソー:メスティン(ハンドル付き)

〈アルマイト加工されていないメスティン一例〉
・Trangia(トランギア):メスティンTR-210
・山善キャンパーズコレクション:メスティン MESS-1

■アルマイト加工されていないメスティンはシーズニングを推奨
アルミ無垢の状態で出荷されているメスティンは酸化皮膜がない状態です。初めて使用する際はシーズニングを行い酸化皮膜の生成を推奨します。メスティンのシーズニングに関して詳しく知りたい方は「【動画付】メスティンのシーズニング方法や理由を効果検証付きで解説」をご覧ください。

2.傷をつけない柔らかいスポンジを使う

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表面の酸化皮膜に傷をつけて削ってしまわないように柔らかいスポンジを使って汚れを落としましょう。炊飯などでこびりついた汚れは水につけてふやかすと落ちやすくなります。金属製のたわしや研磨剤入りのスポンジはNG!酸化皮膜を壊し、細かい傷が付き劣化につながります。

3. 酸性とアルカリ性の両方に弱いから中性洗剤を使う

アルミは酸性、アルカリ性どちらにも弱い両性金属という性質です。酸性、またはアルカリ性の洗剤を使うと酸化皮膜が溶けて、アルミが剥き出しになり劣化につながります。

そのため酸性でもアルカリ性でもない中性洗剤で洗うようにしてください。ただし、シーズニングをしたメスティンは酸化皮膜を落とさないために、なるべく洗剤で洗わないことを推奨します。

以上がメスティンを長持ちさせる基本的な洗い方です。しかしながら丁寧に使っていてもうっかり焦がしてしまったり、黒ずんでしまったりすることも。焦げや黒ずみなどの頑固な汚れは上記の洗い方では到底落ちません。次章以降で焦げと黒ずみ対策を解説します!

2.「焦げ」には“お酢”が効果的!

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結論から言うとメスティンの焦げにはお酢で煮込むことをおすすめします。鍋の焦げや酷い汚れを落とす際によく重曹を使いますが、アルカリ性とアルミが反応し劣化してしまうのでメスティンでは使ってはいけないと言われています。その代わりに推奨されているのが酸性の「お酢」です。

水とお酢で20分煮込む

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焦げをお酢で落とす場合の分量と時間、工程はこちら。

〈分量〉
水:500ml
お酢:大さじ3杯

〈時間〉
約20分

〈工程〉
焦げが浸かるくらいの水を入れ、大さじ3杯のお酢を入れて沸騰させ、20分煮込んで火を消して冷めるまで放置。割り箸で焦げを擦る。

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お酢で煮た焦げが柔らかくなり、落ちやすくなります。割り箸を使って擦ると傷がつきづらいのでおすすめです。

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割り箸であらかた焦げを落とした後に、水とスポンジ、中性洗剤で洗い流すと焦げがきれいに落ちます。

焦げがひどく落ちないときの対処方

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焦げつきがひどいとお酢で煮込んでも落ちません。そんなときは次の3つの対処法を試してみてください。

1.中性洗剤を加えて煮込む
水とお酢に中性洗剤を加えることで、多少焦げが落ちやすくなります。

2. 1〜2日天日干しする
煮込んだあとに1〜2日天日干しすると焦げが剥がれやすくなります。

3. 金属製のたわしや紙やすりで焦げを削る
傷つけるのを承知で、金属製のたわしや紙やすりで焦げを削りましょう。この方法はアルミにダメージを与えるので最終手段としてください。

■重曹で煮込むと白っぽく変色する

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試しに禁じ手とされる重曹で煮込んでみたところ、全体的に白っぽく変色し、表面もざらざらとして感触に。多少アルミが柔らかくなってしまった感覚もあります。やはりメスティンを重曹で洗うのは避けた方がよいでしょう。

3.黒ずみ対策は「ポッカレモン」で煮る

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アルミは使い込んでいくと黒ずみや黄金色のシミがでてきます。そんな汚れはポッカレモンなどに含まれるクエン酸で煮込むとキレイにできます。

アルミは水と反応して、水酸化アルミが表面に付着します。この物質とミネラルや食材が複雑な作用をして表面に固着することで黒や黄金色に見えます。水や食材の成分からできているので、害なく使えますが気になる方はキレイにしたくなりますよね。
実はクエン酸で煮込むと黒ずみがなくなるんです。クエン酸にはアルミの表面の黒ずみを溶かす作用があります。クエン酸が含まれる身近なアイテムは「ポッカレモン」です!

水とポッカレモンで30分煮込む

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黒ずみをポッカレモンで落とす分量と時間、工程はこちら。

〈分量〉
水:500ml
ポッカレモン:大さじ3杯

〈時間〉
約30分 

〈工程〉
焦げが浸かるくらいの水を入れ、大さじ3杯のポッカレモンを入れて沸騰させ、30分煮込んで火を消して冷めるまで放置。中性洗剤で洗い流す。黒ずみが酷い場合は煮る時間を長くしてみてください。

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全体的に黄ばんでいたメスティンの内側をポッカレモンと水で煮こむことで、

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表面が溶けてアルミ本来の光沢を取り戻します。

黒ずみを防ぐために注意したい2つのポイント
アルマイト加工が削れてしまったり、シーズニングによる酸化皮膜が落ちたりすると黒ずみます。次2つのポイントに注意してメスティンを使いましょう。

1.強酸性と強アルカリ性の食品は調理しない
お酢などの酸性が強いもの、ゆで卵やこんにゃくなどのアルカリ性が強い食品を調理すると、皮膜が損傷し黒ずみの原因になります。

2.金属製のたわしなどで擦る
金属製たわしや傷がつくスポンジでこすると酸化皮膜が損傷して黒ずみの原因になります。

4.焦げや黒ずみを落としたらシーズニング

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そもそも、アルミはアルカリ性、酸性の両方に弱い性質です。お酢やポッカレモンは酸性なので、どちらを使ってもダメージは受けます。酸の力で表面を溶かすことで、黒ずみがなくなるんです。
お酢やポッカレモンで煮込んだメスティンは、酸化皮膜やアルマイト加工が破壊された状態です。そのまま放置すると、アルミが空気と反応し黒ずみや劣化の原因に。焦げや黒ずみを落としたあとは、新たに酸化皮膜を作っておきましょう。

お米の研ぎ汁で15分煮る

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メスティンに酸化皮膜を作るにはお米の研ぎ汁で煮込むのが効果的で、この工程をシーズニングと呼びます。

〈分量〉
お米の研ぎ汁:鍋にいれたときにメスティンが浸かる量

〈時間〉
約15分

〈工程〉
メスティンが入る大きめな鍋にお米の研ぎ汁とメスティンを入れて沸騰させてから、約15分煮る。取手はゴムが劣化するので外して煮込みましょう。

 メスティンのシーズニングに関して詳しく知りたい方は「メスティンのシーズニングの必要性や方法を解説!効果の比較検証付き」をご覧ください。

5.大切にメスティンを使って長持ちさせよう!

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最後にこの記事のポイントをまとめます。

・メスティンは中性洗剤と柔らかいスポンジで洗う
・焦げついたらお酢で煮込む
・黒ずんだらポッカレモンで煮込む
・お酢やポッカレモンで煮込んだあとはシーズニングを

 結局のところ、メスティンが焦げたり黒ずんでしまったりしてしまった時点で、汚れを落とすにはアルミにダメージを与えないといけません。なるべくなら焦げつかないように、黒ずまないように大切にメスティンを使いましょう。

※この記事は、2021年1月4日にソトレシピニュースに掲載されたものです


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