時間も手間もかからない!意外と簡単な、燻製の基本「ミックスナッツ編」
「燻製」と聞いて、まず思い浮かぶのは何でしょうか。「何でもひと味変わった、美味しいものになりそう」という漠然としたイメージでしょうか。それとも、「時間や手間がかかりそう」「難しそう」「面倒くさそう」といった、マイナスなイメージでしょうか。 いやいや! 肉も、魚も、加工品だって、誰でも簡単に「燻製」できます。そしてもちろん、どんな食材も「ひと味違った」ものになります。
今回は、水道橋にあるアウトドア・カフェ&バー『BASECAMP』のオーナーであるA-sukeさん直伝の、スモーカーを使った燻製の方法と、その心得を紹介します。
スモーカーを選ぶなら、縦型? 横型?
まず、スモーカーには大きく分けて縦型と横型とがあります。縦型は大きい食材を燻しやすく、さらには吊るして燻すことができることが特徴です。しかし多くは組み立て式で隙間が多く、その分酸素が入りやすいため、チップが燃えやすく、強火で燻すことには向きません。
また魚を一尾丸ごと吊るせるのもメリットですが、フックから外れて落ちてしまうこともしばしば。縦型を使うなら、弱火で、じっくり燻したいときにおすすめです。
横型は、扱う食材の大きさに限界がありますが、吊るして燻した際と比べて食材から脂が落ちにくく、また強い火力で短時間で燻すことができます。形状も角ばっておらず丸みを帯びているものは、洗いやすいのでおすすめです。
燻製ビギナーならスモークチップは「サクラ」一択
スモークチップとは、スモーカーの底に敷き詰め、煙を発生させて燻製に香りをつけるために燃やす燻煙材です。これには種類が多数あるので、悩む人も多いでしょう。市販のチップのパッケージには、肉用だとか、魚用だとか表記されているけれど、正直、そこまでこだわる人はそんなに多くはありません。
A-sukeさんのおすすめは、「サクラ」。これは、初心者でも扱いやすく、玄人でも親しんでよく使うチップとして知られています。香りがやや強めで、肉にも、魚にも幅広く使うことができます。他にも、「りんご」、「くるみ」、「なら」、「ヒッコリー」など多種ありますが、自分の好みのチップを探すのも、またいいでしょう。
いよいよ燻製! ポイントは食材の置き方にアリ!
まずはスモーカーを用意します。今回は、A-sukeさん愛用の横型のスモーカーを使って、もっとも簡単でそれでいて味の変化を楽しめる、ナッツの燻製を作ることにしました。
① スモーカーの底にチップを敷く。
<POINT>
チップの量は、簡単な燻製であればひとつまみくらいがちょうどいいです。
② 燻製したいものを網の上にのせる。今回はナッツをアルミホイルで作った皿に盛りました。
<POINT>
ナッツやツナなどのように細かいものを燻すときは、なるべく重ならないようにバラけて敷き詰めましょう。それぞれがまんべんなく空気に触れやすくなることで、香りがよりつきやすくなります。
③ 強火にかけ、煙が出始めたらフタをする。
④ 中火にし、お好みの時間燻す。ナッツの場合、5分ほどです。
<POINT>
途中、具合が気になれば、フタを開けて確かめてもいいです。燻し足りないなと感じたら、チップを足しましょう。
⑤ できあがり。
<POINT>
燻製したものをそのまま召し上がる場合もあるかと思います。その際は、燻製直後に召し上がることはあまりおすすめできません。香りが強すぎて、本来の味を楽しめなくなる可能性があります。
思ったより、簡単でしょう。燻製するだけで、格段と香ばしくなります。味ももちろん格別。ほんのりした渋い味と香りに、お酒もすすみそうです。
取材協力↓
※こちらの記事は2018年3月7日にソトレシピニュースに掲載されたものです。